短編の間へ翠玉館玄関へ

『明日天気に……。』


 窓辺から一心に外を見つめ、彼は明日が晴れる事を祈っていた。外は薄暗く激しい雨が降っている。明日は子ども達が楽しみにしてる遠足の日なのだ。今の所、明日の天気予報は曇りのち雨。降り注ぐ雨は止む気配が無い。
近所の友人達が遊びに来て部屋の中は賑やかだった。明日の遠足の準備やら、マンガの話やらではしゃいでいる子ども達の楽しそうで無邪気な歌声を聞きながら、彼はいっそう強く祈る。
……明日は晴れてくれなきゃ困る!

でないと、彼は首を斬り落とされてしまうのだから。


                 END