散文詩の間へ
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翠玉館玄関へ
『傘 Side:B』
あなたが差し出してくれた傘
気付かなかったわけじゃないの
ただ、ありがとう言える余裕がなかった
情けない顔も見せたくなくて
あなた自身はずぶ濡れになってた事
知ってたのに
やがて雨が止んで
振り返るタイミング
完全に逃してしまった
ありがとうを言わなきゃいけないのに
照れ臭くて歩き出してしまった
虹のかかっている方へ
急いで引き返せばまだ間に合うかな?