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『傘と言葉』



「やまない雨はない」と慰めるのは容易だが

雨に打たれ震えている人には台詞めいた言葉よりも傘が必要なのであって


そう考えると言葉しか持たない私には実際の所何も出来ないのではないかと自己嫌悪


でもかつて雨に震えていた私を救ってくれたいくつかの言葉があって

言葉は傘になる力がある事を知っている


上辺だけの言葉を吐いたり見なかった事にはしたくなくて

傘と言葉の距離を埋める術を探し続けている