宝物庫へ/ 翠玉館玄関へ
4444hitキリリク詩〜For:みく様

『夏』

遠くに聞こえる祭囃子に心躍らす

幼い夏の記憶


境内に揺れるちょうちん

父の肩から見た祭りの賑わい

母にせがんだあんず飴


遠い夏の記憶

ひたすら無邪気にはしゃいでいた頃


今、ヒートアイランドの只中で時間に追われる私は

あの頃のように笑えているだろうか。


アスファルトに揺らめく陽炎

ぎらつく太陽

更新され続ける最高気温


見上げる空の青さはあの頃と同じ

太陽は変わらず輝く

変わったのは大人になってしまった私の方か。


時間は止まらず

多くのものは変わっていくけど

受け継がれる祭囃子の旋律はあの頃と同じだから

あの夏の心のままに歩いていける。