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夜の帳


夜の帳が下りてくる
黄昏を退けて
冷たい天鵞絨が世界を包む
月の灯りが冴え冴えと
静かな世界を照らし出す

このまま夜が明けなければいい
月は太陽のように見る者を射抜いたりしない
この優しく静謐な世界なら
居場所を作ることができそうで。